「ITを活用した授業づくり」ハンドブック
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算数科学習指導案
かけ算九九をマスターしよう!
〜数と計算〜
(小学校 第2学年)






























2年生のかけ算九九の学習は、その後の算数科の学習を進めていく上で非常に重要
な計算の基礎・基本となる学習です。しかし、その学習指導は、計算カードを暗唱す
る方法を中心に行われることが多く、新しい指導方法があまり開発されていないのが
現状です。
そこで本事例では、表計算ソフトの様々な機能を活用し、児童個々の能力とめあて
に応じた学習が展開できるように工夫しました。
本時の授業は、九九の学習が一通り終了した後の総まとめの学習であるとともに、
学習したことがどの程度身に付いているか力試しをしたり、評価をしたりする授業で
もあります。ここでは、個に応じた学習として三つのコースを用意しました。ITの
活用により、児童が楽しく意欲的に取り組むことを期待しており、算数の基礎・基本
となる計算能力の習熟を図ることをねらっています。
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小学校 算数科学習指導案

1 学年 第2学年

2 単元名 かけ算って何? 〜かけ算九九をマスターしよう!〜

3 単元のねらい
○ 乗法がどんな時に用いられるか知り、それを式で表したり、その式を読んだりすることができる。
○ 乗数が1増えると、積は被乗数分だけ増えることや交換法則などの性質を調べ、その性質を乗法
九九を作ったり、計算を確かめたりすることに生かすことができる。
○ 乗法九九について知り、1位数と1位数との乗法の計算が確実にできる。

4 単元について(IT活用の視点から)
2年生のかけ算九九の学習は、その後の算数科の学習を進めていく上で非常に重要な計算の基礎・基
本となる学習である。しかしながら、その学習指導方法は、計算カードの暗唱を中心にしたものがほと
んどで新しい指導方法が開発されていないのが現状である。
そこで本単元は、表計算ソフトの様々な機能を活用し、児童個々の能力とめあてに応じた学習が展開
できるように設定した。活用した表計算ソフトの機能は、@表計算のシートのセルへ表示条件を設定す
る機能。A乱数表示で、各セルの数字を瞬時に変える機能。Bシートをいくつも増やすことができ、各
シートを多目的に活用できる機能である。これらの機能を活用して、児童が楽しく九九の学習を進めて
いくことができる教材を開発し、単元の半ば(2〜5の段まで学習した時点)と終末(本時)に活用す
ることを計画した。
本時の授業は、九九の学習が一通り終了した後の総まとめの学習であるとともに、学習したことがど
れぐらい身についているか力試しをしたり、評価をしたりする授業でもある。ここではITの活用によ
り、児童が個に応じた学習に楽しく意欲的に取り組むことを期待しており、算数の基礎・基本となる計
算能力の習熟を図ることをねらっている。学習意欲が高まるように、個々の能力に応じた3つのコース
(がんがんスピードコース・じっくりかくじつコース・なるほどナットクコース)を設け、自らの選択
により学習が進んでいくように工夫をした。PC教室での学習を想定しているが、学校によってはその
環境に違いがある。PCの台数に応じていくつかの二人組をつくり、交互に計算勝負をするのも楽しい
であろう。児童の配置は各担当教師が工夫してほしい。
また、本教材は、問題が自動的に作成されるところに特徴がある。普通、問題の作成や印刷にはかな
りの時間がかかる。一度本教材を作成してしまえば、それらの時間を他の教材研究の時間にあてること
ができるし、デジタルデータとして保存しておけば1年から6年まで、加法、減法、乗法、除法などの
暗算の習熟を図ることに活用できることもこの教材を作成する大きなメリットである。
さらに、教室における一斉授業において本教材を活用する場合は、導入の復習、終わりのまとめで、
大きく映し出して児童全員で問題を解く方法が考えられるが、機器のセッティングなどの準備などを考
えると、むしろ問題をプリントアウトして児童に配布する方法の方が適切であろう。このように、IT
の活用の利点として、デジタルデータが保存でき、いつでも使いたいときに児童の実態に応じて加工を
簡単に加えることができること、そして、すぐに印刷して活用できるということがあげられる。
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'+-'I'ae''E A-{Zo 'A-{'POE3'E'''e'>>'I '1/4'I'h'sS^-p'AE'u'A'IA *\'"S%e'u '3'1'1/2'eA ''e B

5 単元の評価規準
算数への
関心・意欲・態度
数学的な考え方
数量や図形についての
*\OE>> E^-
"-E'a},OE`'E'A'c'A'I
'mZE-%
E -Y%A'aae"'AEI'ISO
OEW AOES.-@'\'E'Cae
-@'E'A'c'A 'e-'A
< 'eB
・ 乗法九九を用いた
り、乗法九九を見直
したりして乗法につ
いて成り立つ性質や
決まりを進んで見つ
けようとする。
・ 簡単な計算方法を工
夫したり考えたりす
る。
・ 同じ大きさの幾つ分
という見方でとらえ
る。
・ 累加や乗数と積の関
係、交換法則など乗
法について成り立つ
性質を用いて乗法九
九を構成する。
・ 九九表を用いて乗法
についての性質を見
つける。
・ 乗法九九が用いられ
る場面を具体物で表
したり、言葉や式で
表したりすることが
できる。
・ 乗法九九を確実に唱
えることができ、用
いることができる。
E 'A'<<'eB
・ 乗法は、一つ分の大
きさが決まっている
ときに、その幾つ分
かにあたる大きさを
求める場合に用いら
れることを理解して
いる。
・ 乗数が1増えると、
積は被乗数分だけ増
えることや、交換法
則などの性質を理解
している。

6 単元指導計画(27時間扱い)
評価項目
○ 学習のねらい
・主な学習活動
○指導のポイント
考えられる
IT機器の
活用例













・5×□、2×□、4×□、3×□について
考える。
・かけ算の式を書き、読み方を練習する。
・絵を式に、式を絵に書き表す。
・身近な例からかけ算になるものを探す。
・5×3=5+5+5のように、2×□、4
×□、3×□についても加法で答えを求め
る。
○決まっている数×幾つ分の
意味がわかりやすい写真や絵
を用意する。
○おはじきなどの具体物を活
用する。
○わかりやすい例を選ぶ。
○すでに提示した例を用い全
員の答えが一致するように、
数えて確認する。
@デジタルカ
メラで良い
例を写して
プロジェク
タで紹介す
る。
◎ ◎ ○ ◎





・5と2の段の九九を書き、暗唱する。
・九九カードをつくり、一人で練習する。
・カルタなどで遊びながらおぼえる。
○5ずつ(2ずつ)増えること
を確認する。
○数えることや足し算の効率
の悪さを押さえる。

A問題を投影
し全員で復
習する。
○ ○ ◎ ◎


○かけ算の意味について考えましょう
○5と2の段の九九をおぼえよう
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12

・3と4の段の九九を書き、暗唱する。
・九九カードを活用しておぼえる。
・習った段の九九表を作る。
○3ずつ(4ずつ)増えること
を確認する。
○大きい方からの九九の暗唱
も取り入れる。
A問題を投影
し全員で復
習する。
○ ○ ◎ ◎
13
・問題を速く、たくさん解く。
○PCの操作を全員に十分理
解させてから始める。
EPCルーム ◎ ◎
14〜
17

・6と7の段の九九を書き、暗唱する。
・九九カードを活用しておぼえる。
・6と7の段の九九を使う問題を作る。
○6ずつ(7ずつ)増えること
を確認する。
○2〜7の段の問題となる具
体物を用意する。
A問題を投影
し全員で復
習する。
○ ○ ◎ ◎
18〜
21

・8と9の段の九九を書き、暗唱する。
・九九カードを活用しておぼえる。
・文章問題を解く。
○8ずつ(9ずつ)増えること
を確認する。
○少しずつ具体物や絵などの
活用を減らしていく。
A問題を投影
し全員で復
習する。
○ ○ ◎ ◎
22〜
23

・1の段の九九を書き、暗唱する。
・九九表を完成させる。
○1ずつ増えることを確認
する。
B九九表をプ
ロジェクタ
で写す。
○ ○ ◎ ◎
24〜
25

・5×4=5×3+5×1
・5×4=4×5

・グループで場面探しを行いメモする。
・作った問題をグループ同士で解き合う。
○九九表から同じ答えを見つ
けさせる。
○表の縦横の増減に着目させ
る。
○教室や校舎内で使える場所
の例を提示する。
B九九表をプ
ロジェクタ
で写す。
C事例をプロ
ジェクタで
写す。
◎ ◎ ○
26
・2倍、3倍・・の長さのリボンをさがす。
E 'I'Q"{A'R"{EE'<''e -a'e'%'B
○プリントに色を塗らせ、長さ
を求める式を書くよう指示す
る。
Dプレゼンソ
フトで説明
する。
○ ◎ ○
27



・スピードを競って問題を解く。
・多くの問題を確実に解く。
・文章穴埋め問題を解く。
○3つのコースのどの問題に
も一度は挑戦するよう指示す
る。
EPCルーム
教育システ

◎ ◎

○3と4の段の九九をおぼえよう
○2〜5の段までの九九をマスターしよう
○6と7の段の九九をおぼえよう
○8と9の段の九九をおぼえよう
○1の段の九九をおぼえよう
○九九のきまりについて考えよう
○九九が使える場面をさがしましょう
○何倍の長さか考えましょう
○かけ算九九をマスターしよう
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'V -{Zz'I-U*W
◎乗法九九の問題を能力に応じて速く正確に解くことができる。【数量や図形についての表現・処理】
◎乗法は、同じ大きさの幾つ分という見方でとらえることができる。
【数量や図形についての表現・処理】
○乗法九九の問題を楽しみながら、意欲的に取り組むことができる。【関心・意欲・態度】

8 本時の展開(27/27)
学 習 活 動 と 内 容 教 師 の か か わ り 評 価
※1人か2人で一台のPCを
使う。
1 本時のめあてを確認する。

○穴埋めコースの学習の仕
方を理解する。

○記録の仕方を知る。

2 チャレンジタイム@
○好きなコースの問題を解
く。
○記録カードに、記録や感想
を記入する。

3 チャレンジタイムA
○試したいコースの問題を
解く。
○記録カードに、記録や感想
を記入する。

4 単元のまとめをする。
○記録を称え合う。
○感想を発表する。
○九九を全員で暗唱する。


○前回のPC教室での学習を想起させ、三つのコー
スのパソコン操作方法を確認する。
・一斉送信により学習方法を説明する。
・全問正解しないと次の問題へは進めないことを
押さえる。
○学習記録カードの記入の仕方を説明する。



○二人組のところは、交互に問題を解いたり、二人
で競ったりするよう助言する。
○あせらずに確実に一問ずつ解いていく方が速く
クリアできることを伝える。


○理解が不十分な児童には、穴埋めコースを勧め乗
法の意味理解の習熟を図る。




○今後、日常の生活や算数の授業の計算の基礎とな
ることを押さえる。


【関心・意欲・態度】
○乗法九九の問題に
楽しみながら意欲
的に取り組んでい
る。
<行動観察>

【表現・処理】
◎乗法九九の問題を
できるだけ速く正
確に解くことがで
きる。
<記録カード>
<受信画面>

【表現・処理】
◎乗法は、同じ大き
さの幾つ分という
見方でとらえるこ
とができる。
<記録カード>
<受信画面>

9 本時におけるITの活用
本時の授業では、教師が事前に表計算ソフトで作成した自動問題作成教材(別添資料)を使う。この
教材には、一般のパソコンにインストールされている表計算ソフトの機能を使って比較的簡単に作成で
きるというだけでなく、この機能が乗法九九はもとより、加法・減法・乗法・除法、その他の計算問題
作成にも応用できるという大きなメリットがある。市販の学習ソフトにも類似品があるだろうが、自分
のパソコンで、児童の実態に応じて作成できるという点では、市販ソフトよりもその学習効果は期待で
パソコンでかけ算九九をマスターしよう。
1回目は一番好きなコースに挑戦しよう。
2回目は苦手なコースにも挑戦しよう。
かけ算九九の学習のまとめをしよう。
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'c'1/2'3/4'<<'1/2'c B

コース名 学 習 内 容
「がんがんスピードコース」 5×5=25問をONEステージとする。
「じっくりかくじつコース」 10×10=100問をONEステージ とする。
「なるほどナットクコース」 4×5=□ 3×□=6 □×7=42などの問題を10問ONEステージ
'AE'.'eB




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資 料

教材「かけ算九九をマスターしよう!」作成方法

(1)教材のイメージ画面































三つのシートから、チャレンジしたいコー
スを選択します。
@ 3コースとも、答えの数字をキーボードで
打ち込み、エンターキーを押して、正解の
場合はセルの色が変わるようになってい
ます。
<@スピードコース> <Aかくじつコース>
<Bナットクコース>
※間違えると色が変わらない
A 全問正解したら、F9キーを押します。
すると、新しい問題が表示されます。
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(2)作成の手順 (スピードコースを例に説明します。)

(作業1)一つのセルに答が正解の場合の書式(例えばセル全体が赤くなる)を設定する。

@ 乗数と被乗数の10のセルに1〜9
の適当な数字を入れる。


A C8を左クリック→書式の条件付
き書式をクリックする。





B 条件1(1)にセルの値が 次の値に等しい(=C$7*$B8)と表示する。




C 書式をクリックし、正解の時のセルC8
の書式を設定する。(赤くなるなど)

D 試しにC7×B8(事例の場合、4×7)の答28をC8に打ち込み、リターンキーを押してC8
のセルが設定した書式(赤くなるなど)になるか確認する。


(作業2)残り24のセルに正解の場合の書式(例えばセル全体が赤くなる)をコピーする。

E C8を右クリック→コピーをクリ
ック

F C8を左クリックG12までポイン
タを移動し25個のセルを範囲指
定する。

G クリック→形式を選んで貼り付け
をクリック→貼り付けの書式を選
択しOKをクリック

=C$7*$B8の$マークは、「絶対番地」といい、C$7は、7の行は変わらない。
$B8は、Bの列は変わらないことを表しています。つまり、C$7*$B8は、Cから先
の7の行×8から先のBの列の積を表しています。ですから、表をつくる
位置により、書式を設定する番地が変わりますので気を付けてください。
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H 試しに25問の解答を打ち込み、設定した書
式になるか確認する。








(作業3)乗数と被乗数の10のセルに1〜9のランダムな数字が表示されるようにする。

I 乗数と被乗数の10のセルのいずれか(ここ
ではC7とする)に、int(rand( )*9)+1と書
き込む。
※半角大文字でも大丈夫





J C7を右クリックコピーし、残りの乗数と被乗数の9つのセルに右クリックで貼り付ける。

K F9キーを押すたびごとに、セル内の数字が変わることを確認する。

※以上の方法で、@スピードコースとAかくじつコースを作成することができます。




(作業4)Bナットクコースを作成します。

L 最初に画面のデザインを、右図のように作成します。

M 前のコースの作業3と同様に、等式の左辺の出題箇所に1〜9の
ランダムな数字が表示されるようにします。


乱数表示機能により、同じ数字が2つ〜3つ表示されることがありますので、そういうとき児童に
は、「幸運なお休みタイム」「時間が稼げるチャンス」などと説明するのがよいでしょう。
入力する式
=INT(RAND()*9)+1
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N 式を入力したセルを、コピーし、左辺の問題を表示するセルに、「形式を選択して貼り付け」
から「数式」を選択して貼り付けます。F9キーを押して再計算すると、ランダムに数字が表
示されることを確認します。

O 等式の右辺のセルに式を入力します。かけ算の結果に相当し
ますので、出題セル(D列またはF列)のセルの内容に、ラ
ンダムな整数をかけて、その計算結果が表示されるようにし
ます。また、その下のセルには、出題セルの番地に変更して
入力します。







P 上のOで式を入れた2つセルをコピーし、式の右側のセル全
体に貼り付けます。

Q 児童が解答を入力するセルに、条件付き書式を設定します。








R これで完成です。
F9キーを押して、出題が変更されることを確認してください。

S 改良点
解答するセルがとびとびになっている場合、消すのが面倒で
す。また、誤って消すこともあります。セルの保護によって誤
操作を防いだり、マクロによって自動的に入力した解答を消し
たりする方法が有効です。



入力する式
=D6*(INT(RAND()*9) )
入力する式
=F7*(INT(RAND()*9) )
なお、設定する条件の式は、いくつか考えられます。
このセルをコピーし、他の入力用セルを選択して、「書式
を貼り付け」で、条件付き書式を設定します。
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